OB/OGの皆様からの寄稿

2013/8/4 松田謹一様 「2030年」

 人生は20年毎に大きく括ると時代が鮮明に見えてくる。誕生してから20年間は学生生活。社会に出た時に備えて学び、友を得る。次の20年間は社会的基盤を固める時期。就職し、仕事に励み、結婚して家庭を築く。そして次の20年は実りの時。社会的地位も出来て活躍の場が広がり、子供が誕生して教育にも気を配る。定年(65~70歳に延びそうだが)を迎えた次の20年は、自由に自分の時間を使って好きに生きる(余裕があればだが)。
 今は2010年(正確には2013年)、その20年前は1990年、バブルのピーク時。好景気に湧き地価は高騰、日本の全面積の地価はアメリカ全土の地価よりも高く、「日本を売ってアメリカ全土を買い占めた方が良いのでは。」等と冗談に、半ば本気で話し合った。ニューヨークのロックフェラーセンタービル、有名なゴルフ場のぺブルビーチも日本資本が買収。世界No.2の経済大国日本の勢いは永遠に続くように思っていた。ゴルフ会員権、株、不動産を購買すれば右肩上がり。給与は毎年増え続け、交際費は青天井に近く銀座は大いに賑わった。それから20年、現在と20年前を比較するとあまりの相違に愕然とする。
 それでは今から20年後の2030年はどのようになるのか。1990年と2010年とのあまりの差異に未来を予測することの難しさと無力感を感じてしまう。しかし、今だからこそ20年後を考えておく必要がある。1990年誕生、あっという間に成長して2010年に早稲田大学で学んでいるように、2030年にもあっという間に到達する。日本生命のコマーシャルで同一人物が20代、30代、40代、50代で出てくるものがある。50代の男性が出てきて自分の歩んできた人生を振り返り20代にアドバイスをしてくれるのあれば、最善の人生を選択出来ると思う。誰も未来を見通すことは出来ないが、過去を歩んできた人達には経験が有る。その経験をじっくりと聴いて将来を予測する事は未来を見通す方法の一つとしてお奨めしたい。
 自分の未来20年を5年毎に切って、その時点で自分がどうありたいのかを、生活、ポスト、資格、趣味、経験等いくつかの項目に関して記載する。到達するための必要事項を書きだしておくと自分が今後やるべき事が明らかになってくる。この未来航路を描くために世界の動向を推測しておく必要が有る。
 2030年に向けてグローバル化が更に進展。工場は付加価値の高い製品以外は安い人件費を求めて海外に出るが工場はアジアからアフリカに移っている可能性が高い。アフリカに沢山の日本人が駐在する。製造業に勤務する場合は海外が生活の中心となる。住んでも良い国の言葉を逸早く学ぶと自分で進路を決めることが出来る。製造業は今年インド工業大学の新卒に年収5千万円を支払う企業が表れたようにいかに優秀な頭脳を集めるかにかかっている。団体戦が強い日本ではあるがいかに突出した個々の力を育てるかが日本の工業の将来を決める。
 日本においては戦後の日本を牽引してきた団塊世代が消滅する。約1,300万人の富裕層が消える。マーケットが縮小し、世界に打って出なければグローバル競争の中で生存し勝ち抜けない。
 小売業はアジアに進出。中国資本や韓国資本と激しい市場競争を展開している。経営決済のスピードが速く一気呵成に店舗展開、リスクを恐れない中国資本がアジアのマーケットを支配している可能性は否定できない。
インドやアセアンでの成功が企業の成長を決定する。いかにマーケットに適合できるか、いかにマーケットを育成できるか。日本に求められる高付加価値の生活を絶えず提案し続けられるかが生存と成長を決定する。科学的経営を開発出来るかがポイント。
 世界の人口は85億人。資源争奪が厳しさを増し、どの業界も上位3社に入っていないと生存が厳しい。規模を争えない企業は価格競争に打ち勝てない。業界で上位3位以内に入っていないと生き残る事は難しい。
 決済は携帯。現金での取引はまれになる。現在の銀行は大きく衰退する可能性は高い。いかに新しい芽を育成する能力を磨くかにかかってくる。
 1990年と2010年が全く異なる社会、経済、世界になっているように、2030年と現在とでは大きく異なる。
 羅針盤の無い航海は遭難にあう可能性が高い。2030年までの航路設計を強く勧める。 2030年以降は穏やかな変化が予測されているだけに2030年までをいかにしっかり乗り切るかが現在の学生の人生を決定する。5年毎に目標をしっかり定め、そのために必要な事項を書きだして達成に必要な方法論を考える。それが人生行路を明るく照らしてくれるだろう。

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